フローリングの床の上に新しいフローリングを貼る方法を重ね張りや上張りと呼びます。このページではそんなフローリングの重ね張りの方法についてDIYスクールでお教えしている内容を元に紹介します。
フローリングを自分で張りたいと思っている方は是非参考にしてください。
用意するもの
- フローリング本体
- フロアタッカー(今回はフィニッシュネイル使用、J線タッカーでも可能)
ハンマーで手で打つこともできますが時間がかかりすぎたり、上手くできないとフローリングを傷つける可能性が高いため、持っていない方はレンタルしましょう。 - 丸ノコ
- 手ノコ(今回はゼットソー使用)
- フローリング用ボンド
床に使うボンドは木工用ボンド(水性)を使うと床鳴りします。必ず油性の専用品を使ってください。 - 墨壺
- 三徳バール
- ハンマー
- メジャー
他にも必要に応じてインパクトドライバーや丸ノコ、ビス、合板など必要な場合があります。
状況確認
フローリングには様々な厚さがあります。重ね張りすると床がその分だけ高くなりますのでフローリングの分だけ高くなっても問題がないか必ず事前に確認しておく必要があります。
特に問題が発生しやすいポイントの一つにドアがあげられます。開き戸の場合、床が上がったことによって床とドアが干渉して開け閉めできなくなってしまうことが多々あります。
それと、増し張りの場合は既存の床と壁との取り合い部分に巾木があると思いますが、フローリングを貼り始める前に巾木も撤去しておきましょう。巾木を残していても施工できますが、巾木を剥がしておくと巾木の幅の分だけ余裕ができるため素人でも綺麗に施工できる確率が高くなります。
上の図は床と壁との取り合い部を上から見た図ですが、巾木があると巾木の厚さの分だけ隙間を隠すことができます。
また、壁も同時に工事する場合は床を施工してから壁を施工した方が良いです。先ほどの巾木の理屈と同じですが床を張った際の壁との取り合い部分の隙間を後から施工する壁の厚み分だけ隠すことができます。それだけ、フローリングの施工でミスが出て隙間が出てしまってもカバーできるということになります。
【重要】張り始めの準備
まず、部屋のどこから張り始めればいいのか悩んだ場合、部屋の形に注目してみましょう。正方形の部屋を上の画像のような広い面と狭い面がある部屋の場合は必ず長い面から張り始めるようにします。
長い面から短い面に移行するのは簡単で失敗しにくいですが短い面から長い面に移行するのは非常に難易度が高く、仕上がりが綺麗にならない可能性があります。
1列目の壁側に来る面(雌側)は少し切って使います。1列目と2列目の継ぎ目となる位置にガイドラインを引くのですが、今回の場合は部屋に袖壁があるため、フローリングを袖壁の真ん中で継げるような割り付けになるように1枚目のカットの幅を決めます。
また、昔ながらの在来工法のお家は柱の間隔が9100mmピッチであることがほとんどであるため、9100mmで継いでおけばこの後貼り進めた際に次の柱の位置でも同様に柱の間で継ぐことができるなど後々の作業を進めやすくなるメリットがあります。
ちなみにフローリング材の幅は基本的には1尺303mmです。
鉛筆で印を付けたら墨壺でラインを引きます。ちなみに下地の合板部分の継ぎ目の部分にアースタックを打っていますが、これはCFやフロアタイルなど薄い床材の際は施工する必要がありますがフローリングなど下地の凹凸の影響をあまり受けない床材をを施工する際は必要ないと講師から教わりました。
ただ、合板の継ぎ目とフローリングの継ぎ目はできる限り重ならないようにした方が無難です。仮に重なってしまう場合は隙間にボンドを充填しておくことをおすすめします。
フローリングの張り方はレンガ貼り、乱貼り、斜め貼り、ヘリンボーン貼りなど様々ありますが、今回は最も難易度が低いレンガ貼りで施工します。
既存のフローリングの継ぎ目を確認して、根太の位置を把握して根太の上にフローリングのジョイントが来るようにしましょう。
フローリングはジョイントが最も強度が弱いため、強度の強い根太の部分でジョイントする必要があります。
壁が真っすぐでない場合の1枚目の切り方
築古戸建てなど壁が真っすぐでない場合に1枚目を壁に沿って切りたい場合はフローリング材の壁と合わせる側を1枚目と2枚目の間の基準線に合わせて置き、その状態でフローリング材と同じ幅の材を壁に充てて沿って動かしてラインを引きます。
フローリングをカット
線を引いたらフローリングを必用な長さにカットします。カットする対象物より2〜3mm多く歯を出すようにします。
カット出来たら線の上に仮置きして線とピッタリになっていることを確認します。
仮合わせで問題なければボンドを塗布します。ボンドを付ける際、付けたボンドはつぶれないようにすると既存の床に多少凹凸があっても接着することができます。
ボンドを少し上から垂らすようにすると潰れないように塗布することができます。
ボンドを付けたあとは素早く貼り付けます。
あて木で叩いて基準線と合わせます。2枚目以降は継ぎ目の隙間が空かないように注意しましょう。
位置が決まったら釘で固定します。1枚目の壁際のみ表面に打ちますが以降は実(さね)の部分に斜めに打ちます。
今回はフィニッシュネイルを利用しており、フロアタッカーよりも保持力が弱いため150~200mmと狭いピッチで固定しました。
レンガ貼りですので2枚目は半分の長さに切ります。先程貼った1枚目のオス部分にボンド入れ、これから張る2枚目の裏にボンドを打って固定します。
先に短手をしっかり入れ、それから長手をあて木してコンコン叩き入れます。
しっかりと奥まではまっているか確認する場合は目視だけではなく短手の接合部を指で触って段差で確認するのがおすすめです。
端まで来たら壁までの長さを計って切断します。壁が真っすぐでない可能性がありますので2か所計っておくと安心です。
壁際の短手は三徳バールでてこの原理を使って押すことができます。
バールを当てる部分はの壁には力が加わりますので石膏ボードだと割れてしまう恐れがあります。既存の巾木を固定していた釘の位置を確認して下地のある位置にバールを当てるようにしましょう。
時には画像のような細かい加工が必要な部分もあります。巾木を後からつける場合は無理にぴったりで切らずに巾木の分だけ余裕を見てカットするようにすれば何度も切りなおす必要がなくなります。
これくらいの隙間であれば巾木を付ければ隠すことができます。
最後までは終わりませんでしたが綺麗に張れました。ここまで学んだことを生かせば続きは自分で張ることができます。
完成まではもう少しかかりますが完成後の様子も追記したいと思います。